製品やサービスを販売するために、多くの考え方、手法が考えられております。大企業が行う戦略と、中小企業が行う戦略はおのずと異なります。企業規模や立地、顧客など様々な要素を考えて販売戦略を立案することが必要になります。様々な分析手法があり、各企業に沿った戦略を立てる方法を立案し、事業成長につなげるように支援を行います。まずは基本的な戦略を立てる上で、自社が置かれている状況を把握することが重要です。様々なフレームワークがありますので、一緒に戦略を立てて事業を成長させる支援を行います。
Contents
3C分析(市場・顧客、競合、自社)
販売戦略の立案を行う上で、まずは市場の分析から行います。これから創業を行うのであれば、どこに商圏があって販売やサービスの対価として収益が得られるのかということを考えます。すでに創業から年数が経っている、あるいは事業承継で新たに経営者に着任をした場合など、改めて自社の立ち位置を考えるきっかけとなります。
まずは代表的な分析手法として3Cを紹介させていただきます。
市場・顧客(Customer)
まずは自社の顧客となりうる対象を分析します。個人なのか法人なのか、老齢、中高年、若者、子供
なのか、あるいは男性、女性など自社の顧客となりそうな属性を考えます。また、現在は自社の顧客ではないものの、今後、利用客となりえる潜在顧客もこの顧客となります。新型コロナ感染症で状況が一変しましたが、外国人観光客の来日状況なども影響を与えております。
競合(Competiter)
自社の競合を分析します。この競合については、自社でどうすることもできない外部環境となります。
その競合企業について、企業規模、商圏範囲、強みや弱みなど分析を行います。競合企業が大手企業となり、商品の品揃えが多岐に渡っているなど特徴を分析します。
自社(Company)
自社の分析を行います。自社の強みや弱み、企業規模や対応できる商圏、自社で対応できる項目などを考え、課題や成功要因を確認します。
SWOT分析
事業戦略を立てるために総合的に分析を行う場合は、SWOT分析を行います。自社の外部環境、内部環境の強み(Strong)、弱み(weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を分析します。このSWOT分析を行うことにより、現状の自社の立ち位置を考え、将来的にどの方向に向かうのかを考えるきっかけとなります。
強み(Strong)
自社の強みを分析します。例えば技術力が高い職人が在籍している、品質が良い製品を作れる、サポートが良い、配達が早い、サービスが良い、柔軟に対応できるなど他社と比較をし、何らかの強みが見つかると思います。強みを活かして、永続的な競争力の源泉となります。
弱み(weakness)
自社の弱みを分析します。中小企業は大手企業と比較し、様々な点で対応ができない項目があります。会社規模が小さい、拠点数が少ない、財務基盤が弱い、知名度が無い、営業力が弱い、価格競争力が弱いなどがあげられます。
機会(Opportunity)
機会とは、今後、自社が伸びる可能性がある外部環境となります。自社ではコントロールできない項目となり、外国人観光客の伸び、法改正、環境変化、SDGsの広がり、技術革新、顧客の嗜好変化などがあげられます。
脅威(Threat)
脅威とは、自社でコントロールできない外部環境の変化の項目となります。例として、競合他社の自社商圏内への進出、法改正、社会情勢の変化で自社取扱製品の需要が減少、代替商品の拡がりなどがあげられます。
クロスSWOT分析
クロスSWOT分析とは、自社の外部環境、内部環境の強み(Strong)、弱み(weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)から考えられる分析となります。
強み(Strong)×機会(Opportunity):強みを機会に活かして成長をする
強み(Strong)×脅威(Threat):強みを活かして、脅威を克服、回避する
弱み(weakness)×機会(Opportunity):自社の弱みを克服し、機会を活かすようにする
弱み(weakness)×脅威(Threat):自社の弱みを対策し、脅威の影響を最小化する
このクロスSWOT分析を行い、今後の会社の事業戦略を考え、どのように戦略を立てて実行していくのかの指針となります。
その他にも少し広い視点で分析を行う手法もあります。
PEST分析
政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)から分析を行う手法となります。少し大きな視点から分析を行うため、中小企業ではここまで分析を要しないケースもあります。
政治(Politics)
政治動向、法律、規制、条例など自社ビジネスにに関わる政治的な影響となります。
経済(Economy)
景気動向、市場金利、消費動向、部品の高騰、賃上げ傾向など経済的な影響となります。
社会(Society)
人口の増減、地域の状況変化など社会の変化による影響となります。
技術(Technology)
技術革新により新たな機会が生まれる、新製品の開発など、技術が進化することにより今までとは異なる影響となります。
5フォース分析
SWOT分析の脅威(Threat)をより具体的に分析をする手法となります。多くの企業が考えられる脅威を5つの観点から分析を行い、脅威を明らかにしていきます。
業界内での脅威
業界内での競合企業との競争激化による脅威となります。競合会社が少ない、多い、業界秩序が保たれてるなど様々な状況が考えられます。
新規参入者の脅威
別の企業が新規参入をしてくる脅威となります。全くの別業態から新規参入をする場合は、価格競争を仕掛けたりするなど、既存業界にとっては大きな影響がある場合があります。
代替品の脅威
今まで利用されたいた商品が、もっと手軽に、もっと安価な代替品が出てくる脅威となります。音をきくものがラジカセ、ウォークマン、MD、スマホなど変化したように大きな影響があります。
売り手の交渉力の脅威
部品の供給先や商品の購入先などが合併や統合などで少なくなり、価格交渉力が高まる脅威となります。売り手が独占状態になるに従い、交渉力が増し、自社が不利になる脅威となります。
買い手の交渉力の脅威
販売先が他の仕入れ先から売込みをかけられており、値下げ要求があるような場合に、買い手の交渉力が増す脅威となります。競合先が多数ある場合に、常に見積もり合わせなどが行われる場合が考えられます。